序章

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「そうかもな」 青年の返事は反論するでもなく素直に認めることだった。 チンピラのような男は方眉を上げ、なら何故? と疑問をする。 「そっから先を決めて努力するのはあのガキの仕事ってことさ。死のうが生きようが関係ない」 ちょっと手を差し伸べただけ。それだけで人は生きようと希望を持つことを出来るのは事実。結末までを決めるのはその人の努力次第だ。 これをきっかけに生きれる可能性が出るならそれで良いと言うことなのだ。 「何よりあれは俺の気まぐれだ。お前だって気まぐれで誰かを見逃したりするだろ?」 「まあ、確かにねぇ…」 男は否定出来なかった。 本人も思い当たる節は数多くあるのだから。 「(しかし少女にあそこまで言うかねぇ?)」 ただチンピラのような男は青年に少女好き的な印象が感じられるだけであった。
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