序章

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いつクーデターが起きてもおかしくない国なのだがダリア王は国の中でも悪名高い盗賊団と手を組んでいる噂があるらしく、反乱を起こそうにもその盗賊団の力が強大過ぎて手の打ち所がないのだ。 加えてこの国の傭兵として戦争に駆り出されていたもの達も雇われているようで民は王宮の敷地内に入ることすら許されていない。 民は重い税を払いながらひもじい生活を送り、地位だけを大事にする貴族とプライドの低い盗賊団と傭兵は美味しい思いをする国。 民がいてこその国と言われるがここにはこれを国と呼んで良いものだろうか? 力とお金だけが全てのこの国をーー 「無法地帯とはこのことを言うんですかね? 旦那?」 ヘヘヘ、と汚い笑いかたをする男はそう言った。 しかし旦那と呼ばれた相手から返事はない。 「俺らもあの王宮で裕福な生活を送りたいもんだ。知ってます? あそこには国から集められた美少女から美女が毎日御奉仕してくれるみたいなんですぜ?」 しかし、気にせず話続ける男は目の前に転がる少女を値踏み足踏みするように眺めていた。
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