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あたしが嬉しくてニコニコしていると 悠にぃがあたしの髪を触りながら呟いた。 「…ほんとは、可愛いと思ってるから……。」 悠にぃってば。 そんなこと言いなれてないから顔赤いし。 『ありがと。すごい嬉しい。』 あたしもちょっと赤くなりつつ、お礼を言った。 というか、カップルみたいなやりとりで、なんだかかゆくなった。 その時 「ご飯よー。下りて来なさーい。」 というお母さんの声が聞こえた。 「ほら。行くよ。」 そう言って悠にぃがあたしに手を差し出した。 『うん!』 悠にぃの手を借りて立ち上がった。 そして、先に出ていこうとする悠にぃに向かって声をかける。 『悠にぃ!』 「ん?」 悠にぃがドアノブに手をかけながら振り向いた。 『大好きだよ。』 満面の笑みでそう言った。 悠にぃは、照れながら笑って 「ばーか。」 と言った。
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