3人が本棚に入れています
本棚に追加
運ばれてきたのは…テンプレに準じたイケメンの少年であった。
見るも無惨で服はボロボロ、青あざも見られる。
ルッツは彼を見る。
(ほぉ、魔力の量と質の感じががこの学園の中で桁外れ…ってぇ事は最強系)
一瞬で見抜いた。
「ユウリ・ウルカヌス=シルフィーネ…!」
アルトはどうやら知っている様だ。
『ウルカヌス=シルフィーネ…』
ルッツは頭を抱えてしまった。
「ルッツとやら…知っているのか?」
カルマは彼を診るために席を立つ序でにルッツに尋ねた。
『言っておく。俺の旧名は…ルッツ・ウルカヌス=シルフィーネだ』
「子孫!?」
『ああ…だが、話は後で。カルマ先生?』
ルッツはまたも話を止める。
いつまでもぐだぐた話しているよりも、今やらなければならない事を優先させるためだ。
「ちっ…解った。だが、いずれ聞いてやる」
『心配せずとも、俺の出生に関しては治療が終わり次第話す。その間はアルトから色々聞き出さなきゃならないからな』
急かすルッツ。
「必ずだ、誓えるな」
『当たり前だ』
カルマはじゃっとカーテンを閉めるとその場を後にし、ユウリの治療に当たりに行った。
『…と、お前に聞きたい事がある』
ルッツは声のトーンを落とし、アルトに尋ねた。
「な、何でしょう」
『そう固くなるな、俺が聞きたい事はひとつだけだかんな』
「はぁ…」
緊張の嵐がアルトを襲う。
『お前は予言をした事があるか?』
「――――へ?」
最初のコメントを投稿しよう!