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アルトはルッツの突然の言葉にすっとんきょうな声を上げた。
「預言?…何が?――へ???」
どうやら訳が解らないという感じだ。
(ほんとに解らないみたいだな…まぁ、しゃーなしか)
『ま、解んねぇなら良いや』
いまだアルトは頭に?を浮かべている。
伝説の龍の意志を継ぐ者が、萌木色の季節に生まれる。
それは、伝説の序章の伝説。
然りて赤子は英雄・龍帝となり、次に生まれる龍帝の肩を推す。
今は邪悪な存在から、世界を救おう。
(然りて赤子は英雄・龍帝となり、次に生まれる龍帝の肩を推す――か。……ん、次に生まれる?)
ルッツは考え込んでしまった。
さっき自分は"初代"龍帝と言った。
簡単に預言を考えれば"代"になる存在がいる訳である。
(だぁぁっ、しまった…今の時代がどうなってんのか全っ然考えて無かったぁぁぁ!!)
『なぁ…アルト』
「…な゛っ…何でしょう…?」
『今って何年何月何曜日だ?』
ルッツの顔からは、汗が滝の様にどばどばと流れている。
「…?良く解んないが新創世暦526年だ」
『……と言われても全く解らん』
「龍帝がこの世に現れてから約3000だ」
狼狽えるルッツを余所に既に治療を終えたのか、カルマがカーテンを開けて入ってきた。
『3000年もか?何だよ、凄ぇ寝坊の仕方だな!?』
両手で頭を抱え込むルッツ。
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