3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
『で、これからどうすんだ?』
幽霊は少女に尋ねてきた。
「どうするったって…解んないっす」
弱気に答える。
『んじゃあ、俺と一緒に最強でも勝ち取りにでも行かねぇか?』
少女の思考が一瞬停止してしまった。
(最、強…?)
「へ?…最強?……何が…?」
少女きょとん、と幽霊を見る。
『…それと安心しろ。俺はお前の大切なダチだ、約束する』
幽霊はにかっと笑い、少女に手を差し出しながらそう宣言した。
「ダチ…ホントに?」
おずおずと半信半疑で少女は尋ねる。
『おうよ、俺はルッツ=ランディール』
「おっ…俺は……アルト、アルト=デイブレイク、です!!」
『お、良い返事だ。後、俺の事は普通にルッツで良いぞ~』
「あ、はいっ…ルッツさん!!」
ぽんぽんとアルトの頭を撫ぜる幽霊…ルッツ。
『敬語も必要無いぞ?』
「でも幽霊の時点で年長者には違いないです」
「違ぇ無ぇ!!」
ルッツはあっはっはと大笑いした。
『まぁ、けどなるべく敬語は控えてくれ。俺達ダチだろ?』
「う、うん」
端から見れば少年同士の馴れ合いの風景である。
『そういや、何処に行く途中だったんだ?』
「講堂」
ルッツはアルトの言葉にピンと来たのか、「ははぁ、成る程ね」と納得していた。
『んじゃ、行くかアルト』
「うん」
2人は出逢い、物語の歯車は動き出した。
最初のコメントを投稿しよう!