遭遇(出逢い)

4/4

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
『で、これからどうすんだ?』 幽霊は少女に尋ねてきた。 「どうするったって…解んないっす」 弱気に答える。 『んじゃあ、俺と一緒に最強でも勝ち取りにでも行かねぇか?』 少女の思考が一瞬停止してしまった。 (最、強…?) 「へ?…最強?……何が…?」 少女きょとん、と幽霊を見る。 『…それと安心しろ。俺はお前の大切なダチだ、約束する』 幽霊はにかっと笑い、少女に手を差し出しながらそう宣言した。 「ダチ…ホントに?」 おずおずと半信半疑で少女は尋ねる。 『おうよ、俺はルッツ=ランディール』 「おっ…俺は……アルト、アルト=デイブレイク、です!!」 『お、良い返事だ。後、俺の事は普通にルッツで良いぞ~』 「あ、はいっ…ルッツさん!!」 ぽんぽんとアルトの頭を撫ぜる幽霊…ルッツ。 『敬語も必要無いぞ?』 「でも幽霊の時点で年長者には違いないです」 「違ぇ無ぇ!!」 ルッツはあっはっはと大笑いした。 『まぁ、けどなるべく敬語は控えてくれ。俺達ダチだろ?』 「う、うん」 端から見れば少年同士の馴れ合いの風景である。 『そういや、何処に行く途中だったんだ?』 「講堂」 ルッツはアルトの言葉にピンと来たのか、「ははぁ、成る程ね」と納得していた。 『んじゃ、行くかアルト』 「うん」 2人は出逢い、物語の歯車は動き出した。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加