南風(パイカジ）また吹いた

篠さんが。。。

俺にとって厄災はまだ続く。。。

このパンドラ。。。

いや、この女が俺の店長で俺の上司だって事。

こないだまで準社員で、その前はフリーターだったぺーぺーの姉ちゃんだ。

長細い黒縁フレームの眼鏡に黒髪。

小柄でつぶらな瞳が、さっきから俺を睨み付けている。。。

悪い奴じゃない。

どちらかと言えば、可愛い方だ。。。

でも男以上に野心家で、

権力には、なりふり構まわず媚びていく。。。

そんな男は、世の中五万といる。

しかしコイツは女で、女である。ってのを最大限に活かす事を知っている。

一言で言えば、ヤな奴だ。。。

『ちょっと！！おいちゃん聴いてるっ！？』

「アイサーっ！！店長殿っ！！」

『。。。って事で、次のシフトで連休入れときます。』

「えっ？！」

振り向いた篠さんが、小悪魔みたいに笑っていたのを俺は忘れない。