不思議なサンタ

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その美形さんは、私をじっとみて口を開いた。 「俺がさ、クリスマスのよさってやつを教えてあげよっか」  その言葉が私の頭のなかでぐるぐると回って、 そしたら胸がじんと熱くなってきて、 気がつけば私は「うん」と返事をしていた。 適当なカフェに入って、彼からいろいろ話をきいた。 彼は西岡哲哉。現在23歳 クリスマスにサンタの格好をして、いろんな人にお菓子を配るというバイトをしているらしい。 「女もいたほうがいいと思ってさ!」そう言って西岡はニヒヒと笑った。 あの誘いは1日バイトの誘いだったようだ。 てっきり恋人みたいに一緒にクリスマスを過ごそうと言っていると思っていた私は、恥ずかしさで穴にでも入りたかった。 現在午後7時。 少ししか働けないだろうが、今から行こうと言う彼と一緒にカフェを出た。
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