不思議なサンタ

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「メリークリスマス!!」 西岡は満面の笑みで子供たちへお菓子を渡している。 今度はトナカイじゃなくて私もサンタの格好をしている。 とりあえず寒い。 それより、今は仕事だ。 「め、めりーくりすます!」 私は笑顔で通りかかったカップルにお菓子を渡した。 「わぁっ!ありがとう!」 女の子が嬉しそうにお礼をいってくれた。 男の人は戸惑いつつもかるくお辞儀をしてくれた。 なんて可愛いカップルなんだ。 うれしそうに一緒に食べている彼らをみていて、こっちまで嬉しくなった。 「さ、さんたのおねーさん!」 ふいに下から男の子の声が聞こえた。 「ぼくにもちょうだい!」 私や西岡のことを本物のサンタだと思っているのかな。 瞳を輝かせている男の子に、暖かい気持ちになりながら、 私は「どうぞ」と差し出した。 「ありがとう!サンタさん!」 そんな無邪気な男の子は大事そうに抱えて家族のもとへと走っていった。 お母さんもお父さんも笑顔で男の子を迎え入れていて 素敵な家族だな… そう心から感じた。 ─────── ────────── いろんな人にお菓子を渡し、お礼をいってもらえたりしているうちに 暖かな時間は終わりを告げた。
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