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「ほい、お疲れ。」
バイトが終わってからベンチでぼーっとしていると、
西岡がココアをもってきてくれた。
「あ、ありがとう」
お礼をいうと西岡は私のとなりに座り、誇らしげ話はじめた。
「…バカらしいかもしれないけど、クリスマスで子供たちが夢をみられるんだよ。
目をきらきらさせて、無邪気に、
サンタさんありがとうって…。
一回このバイトやってみて、
無邪気な子供たちとか、
お互いに愛しあってるカップルとか、
あったかい家族とか、
みんなの笑顔みてすげぇ、胸がぎゅってなったんだ。
…クリスマスってすげぇなって、
思ったんだ。」
彼は優しげな笑顔で私の目をみた。
まっすぐで、力強い目…。
「うん、、なんとなく、分かる」
そう呟くと西岡は「だろ?」と得意気にいった。
そんな彼をみたら、なんだか胸がきゅんとなって、
あれ、
もしかして…
あぁ…
「私、来年もこのバイトしてもいいかな?」
─────私は私の世界を変えたサンタさんに
恋をしてしまったようです。
END
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