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「くっらはっしせんせー!」
一人の女生徒が、間延びした高い声で先生をよぶ。
この声で何人かの女生徒がピクリと反応をした。
倉橋先生。
英語担当で25歳前後の若い先生。
黒渕眼鏡をかけていて、おまけにイケメン。
───世の女たちが放っておくわけがない。
つまり、倉橋先生はモテモテってことで…
私は英語の教科書を手に持ったままため息をついた。
「なーお、いい加減さー普通に混ざって話しかけてきたら?」
「あきちゃん…。そ、そんなの…何話したらいいか分かんないし、、」
あきちゃんは「あんたねー…」と呆れた表情をした。
「でもいいんだ!今日の英語の授業終わったらいくから!」
倉橋先生はもてる。
そのため休み時間などは、
見るたびいつも女子に囲まれている。
だから私が唯一先生に話しかけられる時間は、
私のクラスの英語の授業が終わったときなのだ。
そのたびに私は英語の質問を先生にしている。
私はその少しの時間が1日のなかで一番幸せだったりする。
いつだかあきちゃんに「健気だねー」と笑われた。
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