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────…く。しずく…
「ん……なぎさ、?」
ゆっくりと目を開くと、困ったように微笑むなぎさの姿があった。
懐かしい夢をみたな、、、
ちなみに窓をみると、まだ薄暗かった。
「そろそろ見回りで佐藤さん、きちゃうよ。隠れよう。」
「げ」
今日の見回りは佐藤さんかぁ。
佐藤さんといえば、うるさくて子供嫌いなあのおばさん看護婦か。
別に私たちはもう子供じゃないけど、いまだにあの皮肉が嫌いだ。
私たちは部屋の隅で、ベットで死角になっていて
入ってからの一目ではわかりずらい所へ隠れた。
私たちの病室の方は毛布を膨らませておいているから、ばっちりだ。
そうして隠れているうちに、私たちは身を寄せあって眠ってしまっているのだ。
そして私はまた昔の夢を見て、
思った。
────なぎさはずっとこの病院にいるが、どんな病気なのかと
思ったよりも、私はなぎさのことを知らないということ…
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