病室205号室

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「…っすみません!入院中の男で…なぎさって名前の子いませんか?!」 そう言って、 私はなぎさのこと何も知らないんだなって 思った。 「なぎさ……?」 看護師さんはそう呟いて、少し考えていた。 やはりなぎさなんて名前の子は何人もいうのだろうか。 私がそう不安になっていると、看護師さんが、あ、と呟いた。 「もしかして、中森渚くんの事かしら」 私は多分、とうつむきながら頷いた。 だって、私はなぎさの名字も知らない…。 「それで、その子は何処に?」 私がそう聞くと、看護師さんは少し躊躇いがちに口を開いた。 「実はそのこ…  今朝、持病が深刻化しちゃって…絶対安静中なの。」 「え、、その持病って…」 何ですか、という言葉は急いでる様子のもう一人の看護師さんによって遮られた。 「大変よ!! 渚くん、が… 病室、抜け出しちゃった…」 私はその言葉を聞いて、すぐにきた道を駆け足で戻っていった。
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