日本一運の悪い(かもしれない)男

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ここは日本。 しかしよく知っている日本とはだいぶ違う。 一番大きな違いは魔法があることだ。 それは誰もが一定の教養を得ると使えるようになり、正しいことに使う者もいれば、悪の道に走る者もいた。 それがこの世界の日本であり、この世界全体でいえることなのである。 ーーーーーーーーーーーーーー 先「じゃあまずは自己紹介から始めようか。」 入学式後の恒例行事、自己紹介だ。 この自己紹介は今後の学校生活を決めると言っても過言ではないものだ。 みんな入学式を終えたばかりで緊張した様子だった。 …ただひとりをのぞいて。 北「…ふぁ。」 教室のちょうどど真ん中の席についている生徒、神凪北斗(カミナギホクト)は先生や周りの生徒に気づかれないようにあくびをしていた。 はっきり言って緊張感の欠片もない。 先程の入学式のときもほとんど寝ていたほどだ。 彼が眠たい理由は一つ、昨日、徹夜でゲームをしていたからだ。 北「(自己紹介か…。ま、俺は簡単に終わらすかな。めんどくさいし。)」 先「…では次、神凪北斗くん。」 そんなことを思っている内に自分の順番がきた。 北「…ふぁい。」 直前にすこしあくびをしてしまい、ちょっとへんな声になったが幸い、だれも気づいていなかった。
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