52人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
リスタートは私から。麻衣子に、ワンバウンドで届く程度の長く低いパス。そこから美奈に回そうとするが、やはり元バスケ部の美奈はマークが厳しく、パスが通らない。
カットした月橋は古田にかなり高いパス。間に怜がいたが、高すぎて取れない。ボールをしっかりと受け取った古田はドリブルでこちらに向かってくる。でも、たとえ相手がアメフト部キャプテンでも一対一なら勝機があると信じていた。パスを出す直前、古田の方を見た一瞬で、決める。
パスを出そうと持ったボールをはたき落とすと、すぐにドリブルで月橋と峰岸を抜いたまではよかったのだが、松岸、藤見と二対一になってしまった。だが、これでいい。二人の間でバウンドするように、またも低いパス。出す先は晴菜。私の考えは晴菜にも通じていたようで、晴菜はすぐにシュートを打つ。そのシュートがリングに嫌われてしまうのを見た瞬間、私はゴール下でリバウンドボールをとる。しかし、位置が悪すぎる。 若干後方に見えた歌穂に、ボールを回す。運よく、歌穂はフリー。ここは歌穂が確実に決めてくれた。
女子チームも、捨てたもんじゃないだろ？
《Ｆ男子２‐女子チーム２、残り３分２６秒》
最初のコメントを投稿しよう！