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古田からのリスタート。ゴール付近で待つ月橋に短いパスを出そうとするが、それはフェイントだった。女子チーム全員が月橋に注目する。確実に、パスは月橋に来ると思い込んでいた。
次の瞬間、こちらのゴールに届くのではないかと言うようなロングパスを出された。捕ったのは藤見。私と晴菜、歌穂が走るが追い付けない。晴菜がゴール前に行った瞬間、藤見のレイアップ、しかし入らない。
私は藤見の後ろにいたためリバウンドを難なく捕ることができた。だが、すぐに松岸にドリブルをカットされる。そしてそのボールは峰岸に。麻衣子が徹底的にパスコースを塞いでくれたお陰でなんとかもう一度体制を整える。麻衣子から、私に。私がドリブルでセンターラインを越えて、逆サイドにいる晴菜に。そして、晴菜からゴール前の美奈に繋がった。
怜は右手を挙げ、美奈を呼ぶことで月橋と古田を引き付けている。歌穂はゴール下でリバウンドに備えている。私はさっきの形でのロングパスを防ぐために自陣ゴール前の藤見を徹底マークしていた。美奈は峰岸と一対一。決まれば逆転できる、などと私は考え、その先の流れまでそれを前提に考えていた。
だから、一瞬目の前の試合から集中がそれていた。気付いた時には松岸がこちらにロングパスを出していて、私と藤見がジャンプボールのような格好でボールを取り合う形になる。一瞬の反応の遅れか、それとも体格差のせいか、藤見がボールを捕り、私がはたき落とす。ボールは偶然にも戻ってきていた月橋の手に当たり、コートを出る。
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