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もう時間がないのは、六人ともわかっていた。だからリスタートのときは美奈が必ずドリブルで距離を稼いだ。でも、決まらない。残り時間を示すタイマーには『1:00』の表示。見えた瞬間、目の前に飛んできたボールを受け取り、走る。とにかくもう一本決めないと負けるのはわかっていた。スリーポイントのラインギリギリから打ったシュートは、リングの上を二、三周してその外に落ちた。
男子たちの間をくぐり抜けてボールを拾った晴菜が打ったシュートが決まり、私たちは思わず歓声をあげた。その瞬間、ブザーが喜びの声を引き裂いた。
《F男子5‐4女子チーム、試合終了》
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