文化系バスケガールズ☆

1st game:VS Ｆ組男子

　私たちに初めての敗戦を噛み締めている暇はない。何せＪ男子とＤ男子の試合の間、つまり七分で水分補給をし、今は吐くにも吸うにも苦しくなってしまった呼吸を整えなくてはならないのだ。
　しかも、Ｊ男子の動きを見、先程の試合の反省を踏まえて各自がどう動くか、考えなくてはならない。
　まず、バスケ部で高３となり引退のはずの今もレギュラーとして活躍する大村 亮平。彼の持ち味は相手を翻弄する素早くトリッキーなドリブルと確実に決まるレイアップ。本音を言えば、こいつにだけはボールを渡したくない。渡れば点差が急速に拡大してしまうのは明らかだ。
　そんな大村並みに厄介なのが、速攻を持ち味とする、長身の山下 夏樹だ。彼の動きは、遠目で見るとまるで一本の柱がリモコン操作で車輪を使い動くかのようだ。