1st game:VS F組男子

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 そんなこんなで五分後には第二体育館に連れてこられていた私たち。ちなみに、私たちの学校には二つ体育館があり、第二のほうが狭い。バスケのフルコート一面分と用具が置けるスペースしかなく、観戦中は壁沿いに座ることになる。  着くとすぐに準備運動としてラジオ体操第二をやらされた。いつものことだが、面倒なのに代わりはない。私たち女子メンバーは適当に流すが、一部の男子はやけに真面目だ。  それがすむと、ストレッチ。久々のストレッチに、日頃のインドア生活の酷さを思い知らされる。 「美奈柔らかいねー」 「歌穂も相当柔らかい方だよ」 「うーっ、爪先に手が届かないよぉ…」 いや、麻衣子は固すぎるだろ。 「それじゃ、今回の試合カード発表するぞ。第一試合、F男子対女子チーム。休憩を挟んで二限目は第二試合、D男子対J男子、第三試合、女子チーム対J男子。第四試合、D男子対F男子。第一試合、すぐに準備するように」 『はい』  ちょい待ち、早すぎだろ…。いくらなんでも男子の弱点見てからじゃなくちゃ無理だよ、とは言えないか弱い女子6人。仕方なしに、手渡されたゼッケンを身に付ける。  「さあ、運命の初ゲームだぉ♪」 「晴菜、自重しとけ」 「実力は自重禁止で、ねっ?」 「わたし、頑張れないよ…」 「まあ、ベストを尽くせばオッケーだよ!」 「女子の底力、見せてやろう!!」 『オーッ!!』 ジャンプボールは、一番背の高い晴菜と、我がクラスでも一二を争うミニ男子、月橋 秀哉が出ている。ブザーが鳴った瞬間、より高くジャンプしたのは……
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