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麻衣子のパスは、ノーマークの歌穂に。さすがに古田と月橋も動き出すが、歌穂が一瞬早い。決まる、と信じた瞬間だった。
藤見が歌穂のシュートしたボールをゴール前でカットしたのだ。恐るべし身長差。そこからの男子の動きは早かった。藤見が歌穂の目の前を鮮やかなドリブルで突破すると、そこからのパスを峰岸が受ける。私が走り込むが、追い付いたときにはすでに峰岸は月橋にゴール前まで届くようなロングパスを放っていた。もう、月橋に追い付けるメンバーなんていなかった。
月橋のシュートは、一度はリングに嫌われたものの手元に落ちたボールを美奈や私にとられる前にスピーディーに、しかし冷静に再びシュートした。
9月10日午前9時23分、女子チーム初の失点の瞬間だった。
《F男子2‐0女子チーム、7分中残り4分38秒》
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