無視

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歯磨きをすませ、顔を洗った渚がちょこんと椅子に座る。 「これ…パパのコーヒー」 里央は静かにコーヒーカップを置く。 『ありがとう。けど食欲ないんだ』 「渚、パパの分は、後で半分こしようね」 渚はにこにこ笑いながら、俺を見ている。 「ねっ、ママ。パパ食べないの?」 「うん、パパは食べないの。だから、半分こね」 「パパいらないの?」 渚は俺に問い掛ける。 里央は渚の頭を優しく撫でた。 「パパは…いらないのよ」
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