三十路の休日

2/3
前へ
/63ページ
次へ
昨日カラオケで熱唱したせいか喉が痛い。 『あ゛ーァァァーテステステス・・・ただいまマイクのテストぢゅう~』 喉の調子が悪いか声に出してみる。 大丈夫そうだ。 今日は休日。 満員電車に乗る必要もなくてうれしいけど、特別な予定もない。 まわりの女友達はほとんどと言っていいほど結婚し、子供がいる。 『ごめんね、仁美。休日は家族で過ごす予定なんだ。また今度誘ってね』なんて前に言われたもんだから誘いづらいったらありゃしない。 唯一の存在は、中学校からの友達の杏奈〈アンナ〉。 ハイカラな名前が羨ましくて声をかけたのが始まり。 杏奈も3年前に結婚したけどまだ子供がいないせいか割と自由にしてて、一緒に呑んでは朝までコースを先週もやったばかりだ。 『暇だし、杏奈に電話でもしてみよ!ウシシシ』
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加