幸彦

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『(この一週間で何ができるだろう。エステでも行っちゃう?とにかくお肌の為に早寝は鉄則だな。)』 ドキュンドキュン胸が高鳴る。 メールがきた現実と一週間後の約束、嬉しさと緊張で喉が狭窄する。 ろくに夕飯も食べられずテレビを見てても内容が入ってこない。 (少し体重が落ちるかも♪でも、待てよ…。三十路過ぎると痩せるとゆうより痩けちまう。) そう思った仁美は納豆ご飯を無理やり口に押し込んだ。 咀嚼機能まで鈍り始め、何度も咽せながらやっとの思いで完食した。 普段ならラーメン大盛を5分程度で完食できる。 『恋慣れ』をしてないことを痛感する。 (飯も食ったし、あとは風呂。よし、全身の毛穴を開いて臭い物質を根こそぎやっつけるぞ~!) 『おーーーーーぅ!!!』1LDKの小さな部屋に冗談でも可愛いとは言えない声が響きわたる。 -----ザブーン----- 『う゛ぉ〰〰〰〰〰!!!気持ち良かぶぁ~い! 』 今日まで立派に育て上げたセルライトを必死に潰す。 『この展開、間違いなくアベックになれるだろ。』 『おぃおぃ、メールきたぐらいで調子づくなよ。デブスヤロー。』 『え、でもさ、メール来たんだぜ?2人で会うなんて、しびれちゃうよなぁ~』 『これだからモテない女なはダメだな。』 以上。仁美の独り言。 風呂から出るなりボディクリームを全身に、顔面には色んな種類の化粧品を塗ったくる。 寝る直前まで幸彦のメールを何度も何度も見直した。
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