妄想女

3/9
前へ
/63ページ
次へ
『仁美!おはよう!ほらっ!!会社遅刻するぞ!!』 『あと5分寝かせ・・・』 『んっ・・・ん・・・』 ー彼の唇で目が覚めるー そんなはずはなく、また現実的な慌ただしい朝を迎える。 いつものシリアルに賞味期限の2日過ぎたミルクをぶっかけ、一気に口の中へ放り込む。 『(こんなんじゃ彼氏が出来るわけないわ。)』 『(今日もヒゲが濃くなってる・・・!!やっぱり脱毛しよう・・・)』 仁美は慌ただしく支度を終え8:07の快速に乗った。 『今日もアノ人に逢えるかな』 淡い期待を胸に抱きながら8:18に乗って来るアノ人の妄想を楽しんだ。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加