妄想女

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『高井せんぱ~い!!今夜一杯どうですか??』 新人の時に教育係をしていた入社三年目の茂樹が空気を読まずに誘ってきた。 『う~ん』 予定もないのに考えるフリをする仁美。 (財布にいくら入ってたかな~。ま、コイツ1人ぐらいおごる金はあるか…。) 『行くか!?明日は休みだしガッツリ飲むぞ!!』 サクサクと仕事を済ませ、待ちに待った退社時間。 『茂樹行くぞ!!』 『は~い♪』 2人は会社から出て浅草の町をぶらぶら歩く。 『腹立つぐらい観光客がいるな。つーか、肌寒いのに何で外人はランニングなんだよ。マジ意味分かんねーし。』と独り言を呟きながら歩く仁美。 歩くのが早い仁美に対して脚も短けりゃ、歩くのも遅い茂樹が必死に付いてくる。 いつもの行きつけの居酒屋に到着。 席につくなりポケットティッシュで脇を拭く。 『アハハハハハ!!先輩、脇はやり過ぎでしょ!(笑)』と茂樹は笑う。 『いちいち反応すんなよ!面倒くせぇ。すみませ~ん!生2つとたこわさ!!』
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