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湿気を帯びた風が、私にまとわり付く。 「未央」 呼び止められた声に、振り向く事が出来なかった。 立ち止まったままの私の元へ、近づいて来る足音。 未練や嫉妬を断ち切るように、私は後ろを振り向かずに早足で歩いた。 「おい、未央」 止めて。 なんで待ってるのよ。 どういうつもり? 言い訳でもしに来たの? 言い訳なんて必要な関係じゃないのに。 もう、これ以上傷つけないでよ、勇人。
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