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本当にズルくて、最低な男。 なんでこんな男、好きになったんだろう。 「泣いてる女って、面倒くさいって思ってるんでしょ?」 「………」 「分かってる。勇人が私を必要としてるのは、都合のいいときにヤれるってだけ」 「それは、お前もだろ?最初から、そういう関係だっただろ?」 やっと口を開いた勇人が、溜息混じりに、うざったそうに吐き捨てた言葉が、胸を刺した。 私にとっても都合のいい相手だった。 だけど側にいるうちに好きになるのは、おかしい事なの? いけない事なの? 立ちはだかる勇人の横をすり抜け、また駅に向かって歩き出した。
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