6772人が本棚に入れています
本棚に追加
若菜の力強い声に一瞬箸が止まるが、また味噌汁に口をつけた。
「なんで?
彼氏がいたら遊べないし、束縛はされるし、自由がないじゃない」
「それが普通じゃないですか!だいたい彼氏がいたら、彼氏しか目に入らないですよ」
「それって、つまんないよねー」
ズズズと味噌汁をすする私を、若菜が腑に落ちない顔をして眺める。
「いや、幸せですよ!」
「そう?刺激もないし……」
「ありますよ!ありまくりですよ!」
「うーん…」
今度は私が腑に落ちず、表情を曇らせる。
「まぁ、でも。私には理解できないけど、未央さんのそういう所には少し憧れるかも」
「へ?」
「未央さんって、自由だし」
フフッと笑う若菜につられて、私も笑った。
他の友達からは非難轟々の私だが、若菜は理解できないと言いながらも側にいる可愛い後輩なのだ。
最初のコメントを投稿しよう!