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この話しは義母から聞いた話しです。
遡ること数十年前。主人がまだ小学生だった頃に起きた出来事だそうです。
結婚して間もない頃、仕事中に腰骨を強打してしまったのが原因で度々腰が痛くなってしまう義母。
ある日無理がたたり腰に激痛が………。耐えきれずに病院へ行くとすぐに入院する様に医師から言われたそうです。
ブロック注射を打たれ暫くは絶対安静を余儀なくされました。
部屋は年配の方ばかりいる6人部屋。
その患者さんの中で一際目立つお婆ちゃんがいたそうです。
その方はAさんとしておきます。
入院中にも関わらずいつも化粧(化粧品は高級なモノばかりだったそうで💦)をして身なりをきちんとされている素敵なお婆ちゃんでした。
自宅から病院が近いせいか寂しかったのか毎日、病院に来ていた主人を誰よりも可愛がってくれていて、主人が来ると必ずAさんは主人を連れて売店へ行きたくさんのお菓子を買ってくれてました。
裕福な生活をされているので勿論、それを妬む輩も当然の様にいました。
それでも気にせず同じ毎日を過ごしていたAさん。
そんなある日、退院が決まった義母。
退院する日が決まった時、「寂しくなるけど、良かったね」と喜んでくれたAさん。
当日、主人を可愛がってくれたお礼も改めて言わなければと思い、Aさんのベッドへ行くと、Aさんが泣きながら「一緒に帰りたい」と言ったそうです。
少し困惑した義母は「退院したら必ず遊びに行くから、早く良くなってね」と言って宥め、お互いの住所と電話番号を書いたメモを交換したそうです。
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