はじめに

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そして、退院して数日たったある日の朝。 まだ皆寝ているのか一人目覚めた義母はカーテンを開ける為に寝室から居間へと降りていきました。 居間へのトビラを開けると………。 部屋にあのAさんが立っていたのです。 綺麗な色の生地に細かい桜の模様が描かれた着物を着てじっと義母を見ていたのです。 義母は少し驚いたのですが「あら~、ばあちゃん来てくれたの!」と声をかけながら扉を閉める為に後ろを向き、振り返るとそこにはAさんの姿はもうありませんでした。 それと同時にけたたましく電話が鳴り響きました。電話の音に驚きながらも、受話器を取るとAさんと同じく入院中に仲良くなった男性の方からでした。その方は仕事中の事故で麻痺が残ってしまいきちんと言葉を喋る事が出来ないのですが、受話器のむこうで一生懸命何かを言っていますが、義母は冷静に「Aさん亡くなったんでしょ!」と伝えたら、「何で知っているんだ?!」とびっくり。 義母はすかさず「今、うちに来た!!」と答えました。
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