はじめに

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姉の話し。 確か、高校の夏休みだったと記憶している。近くに住む叔母の家に二人で泊まりに行った時の出来事。 夜9時すぎ。私と姉は下の居間で叔母達とテレビを観て大笑いしていた。 暫くすると姉は布団を敷きに行ったのか、何かをしに2階の部屋へと上がって行った。5分程たった時、2階から「きゃあぁぁぁ!!」と言う悲鳴。 ゴキブリでも出たのかと思い、2階へ行こうとしたら、顔面蒼白で踊り場でヘタリ込んでいた。 「どしたん?」と声をかけると涙目で「こ……声が聞こえた」と言って震えている。とりあえず詳しい話しを聞くため居間へ連れていった。 洋服からパジャマに着替え、下に降りようと部屋の電気を消した途端、開けっ放しのベランダの所から女の声が聞こえてきたという。 住宅街だから近所の人の声か通りすがりの人の声じゃないと聞くと、声は道路や隣近所からではなくベランダから聞こえたと言うのだ。 叔母が2階へ上がっていったので私は姉を伴い上へ行った。ベランダや外を見回した叔母が高知弁で「なんちゃあないわね(何にもないわね)」と言って下に降りて行った。私も確かめたが特に異変もなかった。
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