はじめに

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他人のそら似 最初に言っておきますが、本州から自衛官として北海道に来て、2年で結婚した為、主人の実家の廻り及び近郊には当然知り合いはいません。 結婚して間もない頃の出来事です。 ある日、義母と2人で歩いて10分程の所にあるスーパーへ買い物へ出掛けました。そのスーパーは建物の下、つまり1階部分が全て駐車場になっている為、売り場には階段で上がっていく様になっています。 当時、妊娠7ヶ月だった私はやっとの思いで階段を上がっていました。 階段を上がりきり、食品売り場へ向かおうとしたら、何処からともなく、小学1年生くらいでしょうか、女の子がこちらへと走ってきました。 「お使いかな?」と思ってみていたら、その女の子が何故か私の所で立ち止まり「すぐに買ってくるからちょっと待ってて!」と言ってまた店内へと走っていったのです。 キョトンとして突っ立っている私に隣で一部始終を見ていた義母が一言。 「………知り合い?」 「いや、知らないし!」と即答する私。 出入口は私達が上ってきた階段だけ。 しかも私達の後は誰も上って来ていない。 近所に子供はいるが女の子は小学4年生だけで後は男の子ばかり。 私一人なら間違われても仕方がないかと思うが義母と一緒にいるので、近づいてきた時点で気付くはず。 「待ってて!」と言われたが全く知らない子供だし、何だか怖くなったので買い物カゴを手に取りそそくさと食品売り場へ向かった。 今思うと他人のそら似ではなくドッぺルゲンガーなのではと思う。もう一人の私が、彼女の身内として生活しているとしたら辻褄が逢うように思える。 貴方のすぐ側にももう一人の自分がいるかも知れません。 もし、見ず知らずの人に親しげに声をかけられたら聞いてみてください。「貴方は私とはどんな関係なのですか?」と………。
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