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あまり思い出したくない時期の話しですが………。
高校を卒業して数年たった頃とだけ書いておきます。
長い人生で見る事はそうそうないと思うのですが、と言うより偶然だとしても二度と見たくないものを一度だけ見ました。
数人で隣県に住んでいる友人の所に行く事になり夜の9時すぎに車で出掛けました。
車の中でワイワイ騒いでいたのですが、はしゃぎすぎてだんだんと皆無口に(笑)
気が付くと山道を走っていました。外灯もなく月明かりで照らし出された山中は何だか不気味な感じでした。
それでも、ぼ~っとしながら道路沿いの森を見ていると前方に何か見えたきがしました。
ん?何かある。建物かな?と考えながら薄明かるい外に目を凝らしていました。
木々の間から屋根が見え始め徐々に建物に近づいていきます。
すると急にうっそうとした木々が無くなり、拓けた土地と伸び放題の雑草が姿をあらわしました。そしてチラチラと見えていた建物。
どうやら一軒家のようです。
その時、どうした訳か霊感も働かず、ヤバいとか何も思いませんでした。
なので、その一軒家から片時も目を離さずにいました。
うっそうと生い茂る雑草の少し上に鎖が見えその鎖に何かついて何か書いています。
他に車がいないので時速100kmのスピードが出ているし、乱視の為、普通なら小さい文字や何か書かれていても読めないのですが、何故かその時だけははっきりと読めたのです『立ち入り禁止』と………。
「え?」と思い一軒家に目をやると………。
道路に面している外壁やガラスに無数の御札が……………。
恐いを通り越してパニック。
外灯はなく月明かりだけの山道。
100kmのスピードで一瞬で通り過ぎるはずの家がゆっくりと通り過ぎ、そのスピードと乱視の為、読めるはずのない文字が読めた。
助手席に乗っていた友人に何か見たか聞こうかと思ったが、何故か「決して口にしてはいけない、口に出すと何かが起こる!」とやっと感が働き出したので、聞くのをやめた。
俗にいう「呪われた家」なのか、そしてその家で何があったのか知る術はないしこの先も知りたくはない。
この話しを書いてるそばから寒気がしているので、自分の口から語るのは止めておこうと思う。
ちなみに帰りは別の道を通って帰ってほしいと懇願したのは言うまでもなく………。
「何で?」と聞かれたので「山道は酔うからイヤ!」ともっともらしい答えをだした(笑)
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