序章

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カチャ 強盗犯が拳銃を僕に向ける。これはホントにまずい。 『3、2―――』 ………こいつに賭けるか。 僕は方向転換をして勇気を振り絞り崖から飛び降りる。 その瞬間、全身から血の気が引き、天地が逆転したように、平衡感覚が狂う。 まるで無重力状態だ。たちまち全身に浮遊感が伝わってくる。 ドボン、と音を立てて僕は海へ落ちる。これで死んだら声の主を一生呪ってやろうと思った。 しかし海へ落ちたと同時にあの声がもう一度聞こえた。 『ようこそ』
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