二十八話

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1人教室に残った冬子は窓の外を眺めた。 ――ホント…今日に限って誰もいないんだ。今日に限って…こんなにも大雨。あぁ~あ、帰ろう。―― と、今にも雷が落ちてきそうな薄暗い空に背を向けて、涙を拭ってから教室をあとにした。 そんな冬子が出て行った扉の反対側に立つ人物がいた。扉を背もたれにして腕を組んで…ずっとその場に立ち尽くしていた。 そして、何度も何度も躊躇しながらも彼女の後を追いかけた。
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