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『名前…?私の…名前は…
壱綺(イチキ)』
無意識に口からこぼれた名前。
――壱綺――
なんだか、すごく懐かしくて、不思議な気持ちになった。
「壱綺…か。お前、なぜ、倒れていた。しかも、返り血まで浴びて…。」
―返り血?そう言えば、どうして私は…、倒れていたんだ?―
どうして?
―思い出せ―
―思い出せ―
『どう……し…て?』
―どうして、
思い出せない?―
.
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