『インセンサブル』

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『そんな姉なのに』なのか 『そんな姉だから』なのか オレには定かではないが… そんな姉の経営する酒場は 街で一番 繁盛していて 姉の迷声は……いや 名声は 近隣の街にまで轟き 今日も店は昼間から 満席になっているのである 「…で アンタは何をしてんの こんな所で昼間から 暇潰ししている穀潰しに 食べさせる物は無いんだけど」 ……鬼め ちなみに オレは 暇を潰している訳じゃない 今日も 徹夜で仕事をこなし やっと帰ってきて 昼飯を食べにやって来ただけだ その仕事も この極悪非道 冷酷非情の 悪魔超人に斡旋された物で オレが仕事していた事も この容姿端麗 頭脳明晰の 完璧超人は把握しているのだ 把握し理解した上で この残虐非道な姉は こんな事を言いやがる訳だ ………魔女め 「何か言ったかい?愚弟。」 恐ろしい女!!
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