『インセンサブル』

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この酒場 インセンサブルでは 食事や飲料の販売だけではなく 様々な依頼を引き受ける 『何でも屋』のような仕事も 請け負っている そして この悪魔は厄介な仕事だけを オレに回しやがるのだ 「それで日銭 稼いでんでしょ 感謝される事はあっても 恨まれる事は無いわね。」 かも知れん かも知れんがね!! アンタこそ オレに 感謝の気持ちは無いのかって 声を大にして言いたいのだ この悪魔姉の回す仕事の大半は 基本的に『討伐』が多い 大抵の場合 討伐任務は 一筋縄でいかない場合が多く 毎回 毎回 命をすり減らす思いなのだが この悪魔は それを知りつつ オレに討伐任務を与えやがる おそらく この冷淡な姉は 合法的にオレを殺す気なのだ そうとしか思えない 「そんな事無いわよ。 あしゅれい あいしてるわ。」 嘘だ!! 棒読みだもの!! 今も カウンターの中で グラスを磨きながら 目も合わせないんだもの!! 「ガタガタ 五月蝿い小蝿だね 愛されたいなら 愛くるしいカッコしな ゴキブリの次ぐらいに 可愛がってあげるよ 土俵の上でね。」 『五月蝿いとハエをかけて 上手い事言ったつもりか』とか 『ゴキブリの次なのかよ』とか ツッコミは色々あるけど とりあえず これだけは言っておく!! 「それは『可愛がり』という名の ただのシゴキだ!!」 あぁ 姉の愛が苦しい……
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