極東支部に勤めてるんだがもう俺はだめかもしれない

11/14
前へ
/17ページ
次へ
神機を変形しながら、サクヤと一緒に物影から飛び出て射撃再開。 すると、俺とリンドウの神機が発していた光が消えた。 バーストモード終了の合図だ。 なぜかは知らないがソーマはバースト時間が長いらしく、今回もまだバースト化が続いている。 そのソーマが斬りつけたところに、ヴァジュラの電撃を纏ったカウンターフックが迫る。 素早く装甲を展開するが、短く苦痛の声が漏れる。 アラガミの物理攻撃はとにかく重い。 たとえ防げたとしても、ダメージを受けるのが普通だ。 ヴァジュラの隙を狙って仕掛けるリンドウを、俺とサクヤが全力で援護する。 だが援護射撃をものともせずに、ヴァジュラが頭を突き出して口を開ける――! 「うぉっ…!?」 装甲を展開しながら後方へ飛ぶ。 牙が火花と共に、装甲の表面を滑っていった。 リンドウと入れ違いに接近しようとしたソーマを、落雷が阻む。 どうやらヴァジュラも躍起になっているらしい。 そして三度(みたび)、俺が遠距離戦中断を余儀なくされる。 今の状態のヴァジュラに近接戦闘を挑むのは、非常に気が引けるんだが…… さらにヴァジュラの前方に雷球が発生した、もう接近戦なんて無理だろう。 「あ、そういや…」 あることを思い出し、思わずつぶやく。 アラガミを『捕食』した際の、新型神機の特権――『アラガミバレット』。 生きたアラガミの細胞を取りこみ、それを通常のエネルギー弾のように撃ち出すことができる。 これは『捕食』ができる近接型、そしてそれを撃ちだすことのできる遠距離型、この二つの形態へ変化できる新型しか使うことができない。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加