極東支部に勤めてるんだがもう俺はだめかもしれない

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まだ俺には遠距離での攻撃手段が残されていたのだ。 そういえばさっき見たとき、この攻撃で雷球が飛んで来るまで結構時間があったことも思い出す。 前方では雷球に備えて二人が装甲を展開している。 ――いいこと考えついた。 今度はサクヤのように隠れず、銃形態のままヴァジュラとの距離を詰める。 雷球はまだ停滞している。 ソーマのバースト化がとけた。 そのソーマの背後に到着する。 「おい、なにしてる」 気配に気づいたのか、前を向いたままソーマが聞いてきた。 「悪いけどちと盾になってもらうわ」 「…ふざけるな」 「いや、割と真面目だ。 ちょっとした作戦がな」 ヴァジュラがこちらを睨む。 「なぜ俺の後ろに…」 「さすがにリーダーを盾にする部下はいないだろうよ」 「……ちっ、勝手にしろ。 攻撃が来るぞ」 襟巻状器官が動いた―― 五つの雷球が直進、うち一発がリンドウの装甲に当たり、別の一発はこっちに向かってくる。 「くっ…!」 それをソーマが装甲で受ける。 その瞬間、俺は垂直に跳んだ。 「受け取りな!」 空中から、ヴァジュラの使っていた雷球と同じものを発射する。 それはヴァジュラに命中すると、そのまま体に張り付いた。 着地後に、ソーマの背後から横にずれてさらに二発撃ちこむ。 すると数秒後に雷球が膨張し、 ドーム状となった内部に雷撃が三連発で発生する――! 直後にヴァジュラが動きを止め、全身を震わせ始めた。 連続した雷撃で体が麻痺しているのだ。
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