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「久々のお手柄だな、新人」
言いながらリンドウが突っ込んでいき、ここぞとばかりに連撃を浴びせる。
「フン、あんたにしちゃ上出来だ…」
ソーマも走っていき、神機を振りかぶる。
「ふふ、やりますね♪」
いつの間にか隣に来ていたサクヤが銃撃を再開した。
「今だ、ソーマ!」
「はぁぁ……っ!」
リンドウが離れたところに、ソーマがチャージクラッシュを叩き付けた――!!
ヴァジュラの体から一気に力が抜け落ち、四肢を投げ出して倒れる。
ヴァジュラを倒したのだ――!
「終わったか……!」
俺はほっとしてその場に座り込んだ。
もう若くない俺には、こんな戦闘は肉体的にも精神的にもキツすぎる……!
「コアの摘出完了だ。
みんな、ご苦労だったな」
リンドウがみんなを労う。
「リーダーも、お疲れ様です」
「お気づかい感謝する、サクヤ君」
緊張が解けたせいか、二人の軽いやりとりが成される。
「…終わったならさっさと帰るぞ」
無愛想にソーマが言うが、今回は俺も賛成だ。
今日はもう疲れた、切実に疲れた。
「そうだな、それじゃ帰投する。
各員、警戒を緩めるなよ」
「了解」
「へいへい……」
「…了解だ」
―――――――――――――
――――――――
――――
これが、俺のアナグラでの仕事だ。
日夜アラガミという危険なやつらを相手にして、油断すりゃ大怪我、下手すりゃ死ぬ。
仕事がもらえたのはいいが……本当にこれで良いんかねぇ。
…っと、そういや仕事の事後報告があったっけな、確認しておくか。
自室の情報端末(ターミナル)を開き、受信メールを確認する。
雨宮リンドウ……っと、これだな、どれどれ。
『件名:お疲れさん
本文:本日もご苦労さん
でしたっと……
今日の活躍、見事なもん
だったぜ?
あんたなら優秀な神機使い
になれそうだ。
早くそうなってくれりゃあ
こっちも楽できるってことで
ひとつ、頑張ってくれ。
……あー、なんか
あんたに
「リーダーらしく敬語
は無しでいい」
って言われたはいいが、
なかなか慣れないな。
まぁ、また次も
よろしく頼むわ』
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