俺の後輩がこんなにかわいい訳がない

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――ミッションコード、『蒼弓の新月』―― すでに何者かの手で記録から消されたこのミッションは、任務に当たっていた第7部隊に、ひいては極東支部にとって、大きな痛手となった。 第7部隊のリーダー雨宮リンドウは、新種のアラガミの襲撃により交戦、のちに行方不明。 同行していた新型神機使い『アリサ=アミエーラ』は意識不明ののち、回復。 しかし精神的に混乱しており、戦線復帰にはしばらく時間がかかるであろうと予想された。 ――が………… ――――――――――――― 「い、意識が…回復しただと……!?」 「あれ……私……」 ――――――――――――― ――ひょんなことから、彼女は急激に症状が改善。 ついに第7部隊へ原隊復帰となった。 しかし、戦線への復帰は まだ先になるという。 アリサが第7部隊のメンバーにその報告をした当日、ミキヒサはある相談を受けた………… ―――――――――― ――――――― ――― 「あの……お願いがあるんです。 ……聞いてもらえませんか?」 アリサは配属当初からは想像できない程、おずおずと話を切り出した。 「ん? ……聞くのは構わないが――」 俺はちらりと、横目で辺りを確認する。      ―あんなに偉そうな態度だったのにな― ―へっ、役に立たねぇやつ―      ―あーあ、期待ハズレね― ………………。 「ここじゃ雑音がうるさいな。 ……話は、俺の部屋でいいか?」 「え……あ――」 アリサは驚いたように顔を上げた。 「は、はい。 ……あの、すみません。 気をつかっていただいて……」 「気にすんな。 それより早く行こう」 俺が歩き出すと、アリサが後ろからついて来るのがわかった。 そのさらに後ろからは、未だヒソヒソと声が響いていた。
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