俺の後輩がこんなにかわいい訳がない

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――――――――――― ―――――――― ―――― 「さて、コーヒーも入れたし……話ってなんだ?」 「…………」 アリサはコーヒーのカップに目を落としたまま、答えない。 まだ何か迷っているようだ。 コーヒーを少しばかり口に含みつつ、待った。 すると迷いが無くなったのか、アリサは真っすぐに俺を見据えた。 「……私に、もう一度――」 微かに震えているが、声に弱々しさはない。 「――もう一度、最初から……戦い方を教えて欲しいんです」 「な、なにぃ……?」 どんな話が来るかと身構えていたが、あまりに予想外すぎておかしなイントネーションになってしまった。 「戦い方、ねぇ……」 「お願いします、今度は……ちゃんと、私自身の力で戦いたいんです……!」 ――あぁ、本当ならすぐにでも了承してやりたいんだがなぁ……。 「だめ……でしょうか?」 「あ、あーいや……駄目ってことはないが」 「……? 何か、問題でも?」 「その……俺じゃないほうがいいんじゃないか?」 「え?」 「いや、お前も配属してまだ短いけど……俺のことぐらい聞いてるだろ? 新型なのに戦闘は下手くそ、戦力としてはせいぜいそこらの神機使いと同じか、それ以下……ってな」 情けないが、全て事実だ。 初出撃でオウガテイル相手に俺ほど苦戦したやつは、これまで報告がないらしい。
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