極東支部に勤めてるんだがもう俺はだめかもしれない

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世界的対アラガミ組織『フェンリル』極東支部、通称『アナグラ』…… その支部長室では、一人の男が机に両肘を立てていた。 白いコートに黒手袋を身につけ、金の髪は男性としては少々長めである。 『支部長、照合中のデータベースから、新型神機の適合候補者が見つかりました』 部屋に、通信機を通して女性の声が響く。 「そうか、名前は――」 男の手が傍らの小型端末に伸び、そのキーのひとつを押す。 端末に適合者のデータが表示され、男がそれを確認していく。 「む、これは……」 データを見ながら、男はつぶやいた。 『はい……いかがいたしましょう?』 「ふむ……構わん、早速適合試験を受けてもらうとしよう」 『はい、わかりました』 そう言うと、通信が途絶えた。 静かになった支部長室で、男は目を閉じる。 (新型の適合者が見つかったことは喜ばしいが……まさか、な) 端末には、なおも情報が映されている。 |name:神田 ミキヒサ |age:38 |……………………… |………………………
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