極東支部に勤めてるんだがもう俺はだめかもしれない

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攻撃可能となったサクヤの援護射撃が再開し、仕掛ける俺とリンドウの間を抜けてヴァジュラを貫く。 これも俺が接近戦嫌いな理由のひとつだ。 ターゲットが同じ以上仕方ないが、攻撃しているところに背後から銃弾が飛んで来るのは心臓に悪い。 信じていない訳じゃないが、これだけ動き回っているんだ、誤射も少なくない。 俺も何度か前衛二人に誤射したことがあるが、リンドウは苦笑い、ソーマは舌打ちという反応だった。 そもそも、俺の誤射のせいで隙ができた仲間が、敵にやられてしまいましたなんてのはこっちとしても気が気じゃない。 「ミキヒサ、離れろっ!」 「は――?」 急に名前を呼ばれ間の抜けた返事をした俺は、直後にその理由を知った。 下から持ち上がってくる前足は、正確に俺を捕えて吹っ飛ばした――! 「ぐっ……!」 「ミキヒサさん!」 「ちっ、またか…!」 俺は空を飛び、背中から地面に叩きつけられた。 オラクル細胞のおかげで頑丈になってる体とはいえ、軽くない一撃だ。 だが、次に攻撃が来ることも俺にはわかっている。 今まで散々アラガミ共にやられたせいか、すでに反射的に動いていた。 起き上って膝立ちになると、片足で土を蹴り、中腰のまま低空で飛んでそこから離れる。 頭上を越えていく影、数秒後に背後にやつが着地した。 そのまま倒れていたら完全に捕まるところだ。
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