極東支部に勤めてるんだがもう俺はだめかもしれない

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ヴァジュラを追いかけてこっちへ向かってくる仲間達を確認し、すかさず腰に付けたポーチから『回復錠』を取り出し飲み込む。 俺の全身のアラガミ細胞同士の弱まった結合力が回復し、俺が戦闘不能になることを防いだ。 「無事か…!?」 「あぁ、まだいけるぞリーダー」 「それならいい」 短く言葉を交わして走っていくリンドウと、すでに接近しているソーマに再び前衛を任せる。 神機を銃形態に変形し、サクヤと共に遠距離から撃ち込んでいく。 すると、振り向いたヴァジュラが空に向かって吼えた。 同時に俺の足元から紫色の光が膨らむように広がっていく。 「まだ、見逃してくれないか…!」 舌打ちしながら攻撃をやめ、振り向いて走る。 しかし光はさらに膨張し、ついに先ほど見たドーム状の形が完成した。 腕に一瞬来た痺れから危険を察知し、俺は一気に前方に飛んで着地と同時に転がった。 一瞬遅れて、俺の後方のドーム内部に電撃が放たれる。 アラガミとの戦闘は毎度冷や汗もんだなまったく。 ヴァジュラと仲間達の様子を確認すると、さすがに俺と違って仲間達は優秀らしい。 俺のことなんか見向きもせずに、攻撃で隙ができたヴァジュラに一斉攻撃を仕掛けている。 戦闘中はそれが正解なんだが、誰にも心配されないってのは少し思うところがある。
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