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ふと、下半身の痛みに撫子は目を覚ました。
目をあけるとその眼に映るのは自身が見知らぬ部屋と見知らぬ男、体に感ずる感触は良い弾力を持つベッドと下半身に残る異物感。
「っ‥‥あああああ!!!!」
その感触がありありと撫子を襲い、撫子の記憶に恐怖を思い出させ、声にならない絶叫をださした。
「起きたか、輝玖様がお待ちだ、早く行くぞ。ちなみに俺の名前は柊だ」
バサリと、柊は水色の患者服を投げよこすと撫子に着るように命令した。
不器用ながら、患者服を着ると覚束ない足取りで柊の後を無言でゆっくり追いかけた。
コンコン
「柊です。撫子を連れて参りました」
「よし、入れ」
「畏まりました」
柊は、そう言いながらドアを開け撫子の背中を入れと云わんばかりに押す。
撫子は覚束ない足で前に進もうとしたが、その押された反動で中に転ぶように入室した。
「柊、お前は下がれ」
「はい。畏まりました」
柊は一礼をすると機関長室を後にした。
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