‡始まり‡

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~一時間後~ 「見つからないな。 どこにあるんだよ‥‥」 少年は辺りをぐるぐる回っていた。 行動だけ見れば、不審者と間違われない位怪しい存在だろう。 「仕方ない‥‥」 少年は鞄から、携帯を出すとどこかへ電話をかけた。 『プルプル‥‥プルプル‥‥』 「はやく、出ろよ‥‥」 『もしもし、撫子?』 撫子と呼ばれた少年は、携帯に向かって叫んだ。 「兄貴! 入り口がわからない。 どうやって入ればいい?」 『今、どこにいるんだい?』 「でかい鉄の門の前にいる」 『裏口かぁ‥‥。 ちょっと待ってね』 「わかった」 撫子はそういうと電話を切って鞄に忍ばせた。
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