‡始まり‡

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電話を切って、5分もしない内にギィィと錆び付いた音を立てて、巨大なドアが開いた。 「やぁ、撫子。 よく着たね」 「着たよ。 当たり前だろ。 兄貴は世話かかるんだからさ」 「あはは。 撫子は相変わらず厳しいなぁ 」 「姉貴は?」 「居るよ。 当たり前だろ。 僕とイルは赤い糸で、きつく結ばれているからさ」 「そーかよ」 兄貴と呼ばれた、青年は微笑みを浮かべながら撫子に近寄り他愛ない会話をした後、手を握って機関の中に二人は入っていった。 「此処が機関の内部だよ。 今日から君は此処で過ごすんだ。 しばらくは君と僕の二人部屋だからね」 「姉貴は?」 「イルは女性だから別棟にいるよ。 夫婦だろうと関係ないからね」 或斗はそういうとつかつかと先を進んだ。 撫子は、後を一生懸命おった。
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