‡始まり‡

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「ほら、はやく。 君を機関の長に合わせるんだから」 「機関の長?」 「そ。 この機関を纏めている、輪廻軌九。 僕達を此処に縛り付ける人物だよ」 或斗は機関長の説明をしながらエレベーターに乗り込むと、最上階のボタンを押して扉をしめた。 エレベーターが動き、中は沈黙が支配をしていた。 そんな沈黙を割ったのは撫子のたった一言の言葉だった。 「兄貴、鈴と魎は?」 「まだ、見つからない。 だから、君を呼んだ」 「そうかよ。 俺もあまり動けないかもよ」 「そんなのは了承済みだよ。 君が仕入れた情報を僕に流してくれればいいから」 「わかったよ」 そういうとまたエレベーターが沈黙を支配し始めた。 しばらくしたら目的の階に着いた音が沈黙を破った。
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